【参加メンバーによる実施報告 2017】「テクノロジーで世界をよりよくする」とは?シリコンバレーで学ぶ!ワークショップレポート(前編)

2017.11.21

「テクノロジーで世界をよりよくする」ことを学ぶ『Silicon Valley Workshop 2017 summer』が、9月17日から約10日間で開催されました!今回で4回目となるこのワークショップは、多数の応募者から選ばれた、主に大学生・若手エンジニアとリクルートの技術(エンジニア)メンターが、シリコンバレーの企業・研究施設を訪問し、現地でしか得られないリアルな情報・知見・ネットワークを体感する特別なプログラムです。(2017年5月時の参加募集概要はこちら)前回までの訪問企業や参加者を通じて、回を重ねるごとに繋がりが広がってきている本ワークショップ。

訪問企業を中心に、前・後編2本立てのレポートをお届けします!そして、今回のレポートは訪問先ごとに担当を分担し、参加メンバー自身が執筆してくれました!
Silicon Valley Workshop 2017 summer 主なスケジュール
9/17 出発、観光
9/18 Saildrone、GitHub訪問
9/19 Stanford大学、Recruit Institute of Technology訪問
9/20 Digital Garage訪問
9/21 DeployGate、Airbnb訪問
9/22  自由行動(企業/大学訪問など)
9/23  自由行動、成果発表
9/24  観光
9/25  帰国

 

 

Saildrone(by Makomori)

誰もが起業することはできる。しかし人生の全てを費やして特定の問題を解決しようとする人の数は本当に少ない。

 

まず1日目は、イスラエル初のスタートアップ(2016年9月にはシリーズAで1400万ドル(約14億円)の調達に成功!)、Saildroneへ。イスラエル出身、そして生粋のハッカーである、Doron SegalさんにSaildroneやご自身の起業経験についてお話頂きました。SaildroneはGoogleのエリック・シュミットを初期投資家として迎えており、世界中の政府を主な顧客に持つなど急速に成長しているスタートアップです。Doronさん自身もAppleなどに何度も売却してきた連続起業家で、今回は我々にその経験やSaildroneについてリアルに話してくれました。

Saildroneは風の力を利用して海上を航行するドローンを開発する会社で、世界中の海洋調査を主なマーケットとするスタートアップです。Saildrone以前、海洋研究では船を用いることが一般的だったそうですが、Saildroneは風力と蓄電池を用いてドローンを自動で航行させることで圧倒的なコストダウンを実現し、センサーを用いて環境や魚の調査を行なっています。このドローンは時速200キロに達し、目的地を設定して海に浮かべるだけで風の力を利用して帆を自動で調整し、目的地まで航行していきます。しかしこのドローンの最初のモデルが完成するまでに、CEOのRichard Jenkins氏は10年の歳月をかけたそうです。この点についてDoronさんは以下のように評していました。 「誰もが起業することはできる。しかし人生の全てを費やして特定の問題を解決しようとする人の数は本当に少ない。

その後Doronさんはご自身の起業体験についても語ってくれました。彼はこれまでに4社を創業し、3社を大企業に売却したそうです。彼が最も語っていたのはluck(幸運)という言葉でした。 続いて質疑応答に移り、参加者からは多くの質問が出ました。

 

質疑応答
Q 自身の事業を売却した後に企業に残るという選択肢は無かったのか?

A 大企業に入ったら自分で動かしてる感が無くなった。ロックアップは数年あったが次のことがやりたくなったので1年か2年で辞めて次のスタートアップを立ち上げた。

 

Q 大学は起業の役に立ったか?

A 自分は学校に行きながら開発の仕事をしていた。新しいものを生み出すのは企業で、学校はもはや最先端を学べる場所ではない。
Doronさんのお話の後に会いしたファイナンス担当の方もシリアルアントレプレナー(連続起業家)で、CEOのビジョンに共感して優秀な人材が次々とジョインしている印象でした。

 

 

GitHub(by Seiya)

ダイバーシティに真正面から真剣に向き合う職場

 

続いて、サンフランシスコは海に近い地区に建つ、世界をリードするソフトウェア開発のためのGitバージョン管理およびコラボレーションプラットフォームであるGitHubの本社にお邪魔しました! エントランスを抜けると、フーズボールや卓球台はもちろん、陽気なスタッフがコーヒーを淹れてくれるコーヒーショップからバーまで、会社とは思えない空間が広がっていました。

まずは1階のプレゼンテーションスペースにて3人のGitHub社員の方々に、リモートワークによる場所に縛られず柔軟で余裕のある働き方、様々な背景を持つ人々が最高の「従業員体験」を得られるために注力する専門の役職、社員が日々成長を感じられるよう従業員がマネージメント等を学べる環境を作る専門の役職についてのお話をお伺いしました。 その中ではよく「inclusive」という言葉を耳にしました。ただ黙々と自分の仕事をこなすのではなく、みんなで楽しく、互いに支え合い、成長できる労働環境への非常に積極的な投資をしていると感じました。

お話の後には、2階に広がる従業員スペースの見学をしました!ジムやファブスペース,豊富なフリーアドレススペース、ホワイトハウスのシチュエーションルームを参考にしたというかっこいい会議室、映画のセットのような重厚な雰囲気を醸し出す隠し部屋のようなシガールームなど、非常に居心地の良い執務スペースが広がっていました。 また、ここ最近に増築したというスペースでは祈祷室や授乳室、性別を区別しないトイレといったダイバーシティを感じる設備を所々で目にしました。各部屋にはGitにちなんだ名前やジョークを交えた名前がつけられており、特に面白かったのはベッドにつけられたセンサーで空き状況を確認できる仮眠室「REST API」でした。 様々な人々が最高の従業者体験を得られる環境とはいかなるものかを実感できるGitHub本社訪問でした。

ホテルに到着後はリクルートの技術(エンジニア)メンターとのミーティング。各自担当メンターとはこれから毎日話し合い、訪問先での気づきや翌日の行動・質問事項などを共有します。この後の訪問も有意義な時間とするため、質問や行動の意図をしっかりと振り返りました。

 

 

Stanford大学(by Tacchan)

アカデミアの先頭に立つ最高の環境

2日目には、Stanford大学を訪問しました。午前中は見学中心で、Hoover Towerの上から大学の敷地を眺めたり、様々な場所で記念撮影をしたりしました。ここは本当に大学なのか?と思うほど綺麗かつ広大なキャンパスでリラックスしながらキャンパスを回った後はカフェテリアでランチをし、その後特別講義の行われるGates Computer Science Buildingへと移りました。

講義をしてくださったのは、Paroma Varma さんという、Electrical Engineering の Ph.D student の方でした。”Gathering Training Data to Power Deep Learning Methods”という題で、Deep Learningの学習データをいかに正確に、早くラベル付けをするかということに関する研究を紹介していただきました。

以下、内容の要約をしますが、より詳しい内容が知りたい方はこちらを読んでください。 現在、Deep Learningの学習データを作る際にクラウドソーシングや独自ルールを利用しています(weak supervision)が、時間的効率が良い一方で、これらには間違いが含まれやすいという問題があります。そこでlabeling functionというルールを大量に組み合わせることで、早くそして正確に学習データのラベル付けをすることをこの研究では試みています。labeling functionというのは、domain specific primitivesという変数を用いた、比較的単純なルールベースロジックを記述したもので、一つ一つのfunctionの精度はたかだか60-80%です。これらを5-30個組み合わせたモデル(Coral Paradigm)を組むことで、学習データのラベル付けに加えて、それぞれのlabeling functionと変数の関係性をも獲得することができます。 実際に骨腫瘍(bone tumor)のレントゲン画像について実験をした結果、X線技師が何ヶ月もかけて手作業でラベル付けをしたデータセットよりも、たかだか20個のStanfordの医学生が考えたルールベースのlabeling functionを用いたCoralがラベル付けしたデータセットを用いた方が高い精度が出たとのことでした。

質疑応答では、研究に内容に関する質問からキャリアパスに関する質問まで質問が絶えませんでした。個人的に気になった回答は – (IT系の専攻をしている)Stanfordの学部生と院1、2年生の約60-80%がスタートアップを経験している。主なルートとしてはハッカソンで作ったものをそのままビジネスにするというもの。 – 就職すると金銭的なメリットは大きいが、教授(研究者)として研究を続けることも刺激的な学生とともに知的探求をできるという点で非常に魅力的である。 というものでした。 講義の後は、Bookstoreとは名ばかりのショップで各自お土産を買い、Stanfordを後にしました。 今回のワークショップでは企業に行くことが多い中、アカデミア的視点も入り、非常に刺激的な訪問でした。

 

 

Recruit Institute of Technology(by Ryuya)

CEO Alon Halevyさんを訪問!

 

続いては、リクルートの研究施設であるRecruit Institute of Technology(以下RIT)に訪問し、CEOのAlon Halevyさんにお話を伺ってきました。

AlonさんはAIの研究者として輝かしい功績を残しているだけではなく、起業家として二度事業を立ち上げており、Googleに会社を売却した経験もあります。見た目は長身で筋骨隆々ながら、とても明るく笑顔の素敵な方でした。 AlonさんのAIについてのお話の中で、雇用の減少や格差の増大などネガティブな影響の可能性にも触れながらも、「人々が自分で仕事を選択し、人生をデザインすることのできる時代になる」と仰っていたのが印象的でした。Alonさんの人生はまさにそれを体現しているようですし、自身の生き方について”Life is a journey”と語っていました。 また、起業志望の参加者が多い中で、「自分のビジネスが、テクノロジーの研究開発がポイントなのか、既存の技術を新しい課題の解決に適用したことがポイントなのかはっきりせよ」というアドバイスをいただきました。Alonさん自身の研究者(教授)という立場から起業した経験に基づくと、技術自体の研究開発と技術を使った顧客の課題解決をスタートアップが同時に抱えることは難しいためとのことでした。

RITでの取り組みについてもお話いただきました。RITでは、リクルートのサービスの改善や、トップクラスの研究成果を上げることに加え、オープンソースを通して社会に貢献して行くことを大切にしているそうです。例として現在は、人工知能の活用の肝とも言えるデータの準備や統合の作業を助けてくれる、BigGorillaというオープンソースのプラットホームに注力しているとのことでした。 プレゼンテーションを通して、Alonさんは本当に活き活きと現在の取り組みについて話しており、楽しんで仕事をしているのが伝わりました。 Alonさん、気さくに迎えてくださりどうもありがとうございました!

近日公開予定の後編では、シリコンバレーで活躍する日本人の方や(物理的にアメリカにオフィスを作ったあの方も!)、Airbnb訪問についてご報告します。

お楽しみに!

 

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