賞受賞の半数を占めたのは、医療系のプロジェクト!記念すべき10期生のデモデイ開催!—OPEN PAAK DAY#10レポート

2017.12.28

半年間PAAKで試行錯誤を繰り返し、大きく成長してきた第10期生のメンバーのみなさん。全部で18チーム(1チームは欠席)によるデモデイが、12月20日に行われました。

これまでにPAAKは、総勢800人以上の卒業生を世に輩出してきました。そんな歴代の卒業生の活躍ぶりが、日々メディアで取り上げられることも多くなってきた今日この頃…。

 

そこで今回は、オープニングイベントとして、11月に行われた「TechCrunch Tokyo2017」のスタートアップバトルで優勝した第3期生の株式会社空の松村さん。同イベントでぐるなび賞に選ばれ、12月に行われた「IVS Fall2017」のピッチコンペティション「LaunchPad」で優勝した、同じく第3期生のecbo株式会社の工藤さん。

お二人をお招きしてお話を伺いました。お二人のこれまでの遍歴から失敗談…成長のために必要なものまで、さまざまなお話をしてくださった松村さん、工藤さん、本当にありがとうございました!スタートアップのみなさん、参考になるお話を聞けたのではないでしょうか?

 

そして、いよいよメインの成果発表へ。3分ピッチ13人、1分ピッチ4人、総勢17チームの発表の様子をお伝えします。

なお、今回審査員を務めてくださったのは、以下のみなさんです。
砂金信一郎さん(LINE Developer Relations Teamマネージャー)

岩本有平さん(TechCrunch Japan副編集長)

澤山陽平さん(500 Startups Japanマネージングパートナー)

山口豪志さん(ProtoStar COO)

岩本亜弓(TECH LAB PAAK所長)

 

【成果発表(3分ピッチ)】

 

  1. 「ドローン自動飛行に関する研究」小田雄一さん(yodayoda. Inc)

GPSに依存しない自動飛行のための、ドローンを始めとしたロボットの汎用地図研究を行うyodayoda.Inc。この技術を、GPS電波が届かない橋梁の点検作業などに応用しているとのこと。橋梁の点検作業はこれまで、人の手で行うしかなかったために年間数人の死者を出していたが、この技術を取り入れることで被害を食い止められると考えている。また、現在は地下トンネルでの実験も進行中。今後は、アメリカ進出を考えていると小田さんは語った。

 

  1. 「Multi-Baas」ジェフ・ウェントワースさん(Curvegrid Inc.)

Curvegridが扱うテーマは、ブロックチェーン。ブロックチェーン・アプリサーバー「Multi-BaaS」を運営している。日本だけでなくシンガポール、ドイツでの展開を進めているとのこと。グローバルなチームであるにも関わらず日本での活動を基軸に置いているのには、政府が今年から取り組みを行っていること、仮想通貨の取引全体の40%が日本であることと、自身が長年日本に滞在していることを理由に挙げた。

 

  1. 「歯科VRプレパレーション」松村雅代さん(株式会社BiPSEE)

アニメなどの映像に集中することで、子どもの歯科治療への不安を和らげることができ、同時に姿勢誘導技術によって治療に最適な姿勢を保つことができるVR「歯科VRプレパレーション」。βテストにより、実は大人のニーズが高いことが判明したとのこと。今後は、歯科医が手持ちのDVDなどの映像を自由に使えるサービスに変更していく予定だ。松村さんは、歯科治療の領域だけでなく、人が恐れや不安を感じる全ての医療領域に対応できると考えていると語った。

 

  1. 「Swampdog」山田諒太さん(東京大学)

本プロジェクトは、獣医解剖学向けミックスドリアリティー教材。獣医学の業界では、実習や実験で多くの動物の命が失われていることに改善の余地があると感じことから発案したとのこと。まるで動物の本物の体が目の前にあるかのような体験ができることから、動物実験の代替手段になることを目指している。CTデータを利用していることからどんな動物でも教材にすることが可能になることや、体の内部まで観察が可能で何度も復習できることが強みだ。

 

  1. 「次世代シーケンサーを用いた個人ゲノム解析に基づく疾患リスク判定」 曽根原弘樹さん(ゲノムクリニック)

人体の基本設計図とも言える1セットのDNA、個人ゲノムを解析すれば病気のリスクを判定することができ、予防や早期発見につながると語る曽根原さん。ゲノムクリニックでは、27疾患59遺伝子を最高解像度で解析する次世代シーケンサーを用いたサービスを、今後198,000円という安価で提供していくとのこと。今年の実績として、千葉大学のVBL(ベンチャービジネスラボラトリー)の研究プロジェクトに認定されたことや、「アジア・アントレプレナーシップアワード」で特別賞を受賞したことを発表した。

 

  1. 「タベリー」矢本真丈さん(株式会社10X)

本プロジェクトは、「あなたにピッタリの献立が10秒で」と謳う献立作成アプリだ。自身が前職で育児休暇をとった際に料理を続けることの大変さを感じ、開発に至ったとのこと。3タップするだけで献立を見つけられ、ワンストップで買い物リストを作成でき、料理の投稿をし合えるというものになっている。インスタグラムのフォロワーは25,000人。既に総額6,800万円の資金調達に成功。「タベリー」を通じてデータが集まることで、未来の実需がわかるプロジェクトに育て上げていきたいと語った。

 

  1. 「tiwakiのARプラットフォーム」阮翔さん(株式会社tiwaki)

独自の学習フリー物体検出・認識技術を開発しているtiwaki。その技術によって、即時に情報更新かつ双方向メッセージを書き込むことができる斬新なプラットフォームを構築しているとのこと。このプラットフォームは、さまざまな市場に展開できると考えていて、最終的には「ARベースのWikipedia」を構築することが目標だ。この半年間の成果として、いくつかのビジネスコンテストに出てファイナリストに選ばれたことを発表した。

 

  1. 「MOSH」藪和弥さん(MOSH株式会社)

MOSHは「世界中に生き様を創る」というビジョンを掲げ、個人でサービス業を営む人に向けたウェブ予約サイトの作成サービスを運営している。スマートフォンさえあれば誰でも簡単に業態に応じた個性あるサイトが作れることと、集客がきちんとできることが特徴だ。口コミも増え、ヨガインストラクターを中心に現在登録者数が増えてきているとのこと。今後は、美容師やプライベートレッスンを個人で行っているインストラクターたちへ向けて展開していきたいと語った。

 

  1. 「Folklore」永井勇輝さん(東京工業大学大学院)

「Folklore」は、仮想通貨配布プラットフォーム。金融工学を応用して、トークンの配布量を安全に調整することを前提に、サービスに応じた発行方法や調整方法を選択できること。機械学習を応用して、トークンの配布量を決定するために必要なシステムを整えていることが、特徴となる予定だ。今後、「Travellers Coin」と連携していくことが既に決定しているとのこと。

 

  1. 「Senri」岡崎哲朗さん(RoboMarketer株式会社)

マーケティングにおいて、集客オペレーションに大きな課題があると語る岡崎さん。その課題を解決して「マーケティングの民主化」を進めるのが、RoboMarketerだ。具体的には、PDCAサイクルのD、Cは特に負荷がかかるものなので、そこをなるべく自動化させていくという次世代型のマーケティング・アシスタントになる予定で、現在いくつかのβユーザー企業に使ってもらっているとのこと。年明けの1月にリリースするとのことで、現在は事前登録を受け付け中だ。

 

  1. 「Players1st」深海寛信さん(株式会社プレイヤーズファースト)

本プロジェクトは、経済的課題を抱える現役アスリートのためのスポンサー募集サービスだ。具体的には、月額スポンサーの獲得、スポット課金、オリジナルグッズの製作・販売、ニュース掲載情報の自動検索配信、セカンドキャリアサポート、選手活動に必要な課金・PRなどを全て一括で、ネット上で行っているとのこと。現在、日本代表クラスの選手登録実績があり、登録後の月額スポンサー獲得率80%に。また、ある選手は1週間で103口のスポンサー申し込みがあったとのこと。

 

  1. 「W&FO Alliance事業構築」岡田孝浩さん(株式会社ユニゾンファブリク)

古いものを基にした新しさをコンセプトに事業を行うのが、ユニゾンファブリク。具体的には、ICTを用いた酒類販売事業、ダイレクトレスポンス・マーケティング事業、酒類を用いた製品の開発及び、飲用シーンを彩る製品の開発事業を行っている。酒類の販売者にとっては販売のチャネルが増えることになるとのこと。10年後には、お酒のあるシーンにおいて、ユニゾンファブリクの製品を通じて多くの消費者とコミュニケーションをとれるようになっていきたいと語った。

 

  1. 「内視鏡画像の人工知能診断支援ソフト」多田智裕さん(AI Medical Service Inc.)

内科医である多田さんが提供するのは、内視鏡AIによる診断システム。内視鏡AIによって、「ガン見逃しゼロ」を目指したサービスの開発を行っている。これによって、胃ガンの原因のうち9割を占めると言われるピロリ菌の有無を、高速度・高精度で診断できるとのこと。また、ピロリ菌だけではなく、医師が見逃しがちな胃ガン自体をAIによって0.02秒で検知することができる。今後は食道ガン、胃腸ガンにも応用できるようにと開発を進めていて、世界中の内視鏡検査に応用していってもらいたいと語った。

 

 

【成果発表(1分ピッチ)】

 

  1. 「Flap/PRISM」冨樫重太さん(Periods inc.)

社会に対する課題解決をする人や、デザインに特化した人を集めてサービスを行うPeriods。招待制のクリエイターとスタートアップをマッチングするサービス「Flap」。サロン型のクリエイティブチーム「PRISM」。この二つのサービスによって生まれたプロジェクトを持続可能なプロジェクトに育て上げるためファンド「Design Fund」を今後リリースする予定だ。

 

  1. 「Recoco(レココ)」藤坂祐史さん(筑波大学大学院)

聞き返しやすいボイスメモアプリ「Recoco」。このアプリで講義やセミナーを録音すれば、音声認識やタグ付け、文字起こしによって聞き返す際の手がかりとなる情報を音声と紐付けて可視化できるとのこと。現在23万ダウンロード、アクティブユーザー4万人超の実績あり。今後は、中国をはじめとした海外への展開を考えているそうだ。

 

  1. 「DappFace」杉浦純一さん

「DappFace 」は、ブロックチェーンを使った分散型のアプリのためのモバイルブラウザ。アプリ一つで仮想通貨の交換や分散型のドメイン登録まで一瞬でできるとのこと。ユーザーに、シームレスで全く新しいブロックチェーン体験を提供することを目指していくと語った。現在プロトタイプまでは完成したが、今後のリリースに向けて仲間を募集中だそうだ。

 

  1. 「GK’s Textbook」濤崎アグン大地アシャーさん(株式会社Nextbook)

本プロジェクトは、サッカーのゴールキーパーに特化したオンライン学習サイトだ。サービス内容としては、100本以上の動画教材から作成された講座で、キーパーの上達をサポートするというものになっている。中高生の利用率が低いため、今後はその年代に向けて小売店などとの連携を目指すと語った。

 

  1. 「Psynary」松本裕三子さん

(インフルエンザで欠席)

 

こうして、17チームの成果発表が終わり、いよいよ審査員による特別賞の発表へ。賞を受賞されたみなさん、本当におめでとうございます!当日、賞を獲得したチームの喜びの声と、審査員による講評をひと言ずついただきましたので、そちらもご覧ください。

10期メンバーのみなさん、半年間本当にお疲れさまでした!今後みなさんがますます活躍されていくことを、PAAK一同祈っています。

 

【TechCrunch Japan賞】

「内視鏡画像の人工知能診断支援ソフト」多田智裕さん(AI Medical Service Inc.)

副賞:Amazonギフトカード3万円分

岩本さんの講評:AIでガンを見つける技術については少し前から聞いていましたが、ここまでの実用レベルで、しかも動画も含めて提供しているところは見たことがなかったので、選ばせていただきました。 おめでとうございます。

受賞者の感想:これからも頑張っていきたいと思います。ありがとうございました!

 

 

【500 Startups Japan賞】

「ドローン自動飛行に関する研究」小田雄一さん(yodayoda.Inc)

副賞:Apple Storeギフトカード3万円分

澤山さんの講評:前回のピッチの時にもすごい技術だなと思ったんですが、今回しっかりとビジネスとして進めてきたところが、選んだ理由の一つ。深圳に行ってきて、もっと上に行くぞと燃えているところが、もう一つの理由です。これからもっともっと頑張って大きくなっていってください。

受賞者の感想: 技術的に興味がある人といっぱい話したいので、話しかけてください。よろしくお願いします。

 

 

【LINE賞】

「歯科VRプレパレーション」松村雅代さん(株式会社BiPSEE)

副賞:伊勢志摩産 伊勢えび+Clova Friends

砂金さんの講評:この技術によって。歯医者さんが嫌々行くところではなくて、みんながハッピーになるところになるんじゃないかと思っています。ビジネス的なことで言うと、「LINE@」は全国の歯医者さんで導入してもらっているので、「せっかく取り入れたならVRも」という風に一緒に盛り上げていけたらなと思っています。

受賞者の感想:医療を通じて人を笑顔にできるよう、頑張っていきたいなと思っています。まありがとうございました!

 

 

【ProtoStar賞】

「次世代シーケンサーを用いた個人ゲノム解析に基づく疾患リスク判定」 曽根原弘樹さん(ゲノムクリニック)

副賞:ブランド牛 食べ比べセット

山口さんの講評:これからいろいろな人の手が必要だと思いますので、我々の起業家コミュニティーに入ってもらえたらなと。それから、すごい技術なのにあまり注目されていないような気がするので、これから頑張ってください。

受賞者の感想:ありがとうございます。あまりここには来られなかったんですが、重要な話し合いを重要な人たちとここでできたので、ありがたく思っています。一人でも多くの人を救えるよう、これからも頑張っていきます。

 

 

【TECH LAB PAAK賞】

「タベリー」矢本真丈さん(株式会社10X)

副賞:「中國料理 北京」ディナーペア券

岩本の講評:面接した時に比べた進捗や、やりたいと思ったことを実現させる力など、半年間のコミット具合を評価させていただきました。今後もPAAK卒業生として、大いにPAAKを利用してください。

受賞者の感想:PAAKのおかげで、ここまで来ることができました。日本の隅々にまで届くプラットフォームを作りたいと思います。ありがとうございました!

 

 

【オーディエンス賞】

「MOSH」藪和弥さん(MOSH株式会社)

副賞:TECH LAB PAAK Project Member権利

受賞者の感想:オーディエンス賞狙いだったので(笑)、めちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうございました!