リアルとデジタルを融合させた愛着体験を作っていきたい――西垣雄太さんインタビュー

最高経営責任者 西垣雄太さん
株式会社SnSnap

大手企業などで培ってきた知見を活かし2015年5月に独立

西垣さんのプロフィールを教えていただけますか?

愛知県一宮市出身。大学生時代に米国留学を行い、銀行やメーカーで現地インターンを経験しました。マーケティングやブランディングに興味を持ち、2011年よりアップルにてRetailを担当し退社後、マーケティングリサーチの2013年株式会社マクロミルに入社。財務戦略、グローバル人事を経験し、経営戦略本部ではDIYリサーチシステムのQuestant事業を主担当として新規事業に関わっていました。
この頃マクロミルからは「Questant」のみでなく「Antenna」(現グライダーアソシエイツ)が生まれるなどマーケティングノウハウを生かした新規事業を続々と排出していました。

次に、「Airbnb」のイベント会場版的なサービス「スペースマーケット」のスタートアップメンバーとして参加しました。ミッションはビジネスディベロップメント。最初のユーザーやベニューの開拓、サイトを構築したりオウンドメディアを立ち上げたりといったことを昨年まで行っていました。その後、ドーグスというデジタルサイネージやインタラクティブを作れる会社を立ち上げたのですが、そこで新しく立ち上げたサービスがSNS専用フォトプリントサービス「#SnSnap」です。それを法人化して、株式会社SnSnapという会社でやっているというのが現状です。

SnSnapが法人化されたのはいつですか?

2016年1月ですね。最初ドーグスという会社を当時25歳で2015年5月15日に設立して、そのときにドラフトリリースで「#SnSnap」をサービスで提供しました。実際に案件が始まったのは7月以降だったのですが、「#SnSnap」という名前だけがひとり歩きしている状態でした。ということもあり、タイミングをみてそれ社名にしたほうがいいというアドバイスをお客様や友人からいただいていて。それで、年が変わったタイミングで法人化しました。

アナログの付加価値が上がってきてプリントすることが新しく感じる

現在のプロダクトの概要について教えていただけますか?

みなさん個人でSNSをやられていると思います。Instagram、フェイスブック、ツイッター、Google+など。それに対して、日常の中の体験をSNS上でシェアする方が多いので、個人に対しての媒体力が付いてきています。それをうまく使ったサイネージ施策というところで、ハッシュタグを付けて投稿された写真を印刷してプレゼントできるというものをサービスで提供しています。
またランダムでフレームを変えたり、クーポン、QRコード、あたり・はずれを印字するオプションも搭載し、イベントに合わせてカスタマイズできます。

昨年の6月にプロダクトの作成が始まっていて、リリースをしたのが7月。その7月に初めてフライングタイガーコペンハーゲンに導入してもらいました。それがメディアに取り上げられて、そこからの反響でお客様が付いてきたという感じです。

メディアの掲載が大きかったですか?

結構大きかったですね。お問い合わせベースでいろんな企業様からご相談いただく機会が多かったので、それはすごく大きかったです。それと平行して営業もスタートしていました。

#SnSnapを思いついたきっかけを教えていただけますか?

元々、マーケティングにすごく興味がありました。アップルやマクロミルにいた時に、効果測定などデータを見たりマーケターの人たちと話をする機会が多かったというのもあります。これまでは、テレビ・雑誌・ラジオのような元々ある媒体に広告を打って、それなりに費用対効果が見込めた時代がありました。その後、パソコンやスマートフォン向けのアドに変わり、スマートフォン向けのアドがどんどん増えてきています。

スマートフォンでインターネットをひとり1アカウント持つ時代になり、以前の媒体にタッチポイントが少なくなってきているのが現状です。それでマーケターは、自社でメディアを持ったりキュレーションメディアに広告を打ったり、効果的な広告方法を模索しています。しかし、なかなかターゲティングされた相手に届くマーケティングに苦戦していて、広告費用がさまよっています。その中でSNSはほかのメディアなどよりも、ユーザーが自発的に情報を投稿し、しかも、繋がっている友達の情報を気にしてタイムラインをチェックするというのが習慣になってきています。そこに対して、自然な形で情報が流れるということにフォーカスして、ブランドをはじめとした企業がSNSプロモーションに注力しているという流れが来ていました。

フェイスブックやInstagramの広告を購入し配信するのもいいのですが、それではあからさまですし、それさえ今では情報が溢れかえっています。個人が自分のwallで媒体力を持っているこの時代、実際に体験させてシェア・拡散させるトレンドが確実に生まれており、また「ハッシュタグ」が大きな役割を果たすようになりました。よくイベントなどで、ハッシュタグを付けて投稿してくださいというというものを見かけますが、なかなかインセンティブなしにやるのは難しいと感じていました。

スペースマーケットにいたときにイベントの会場を紹介する側にいたのですが、イベント当日にオーガナイザーさんの「みなさんご来場いただいて盛り上がっています。」という運営側の投稿がほとんどの渋い実態がすごく多かったのです。それではもったいないなと思ったときに、何か参加者側の自然投稿を促進するコンテンツを提供できないかなと思ったのがきっかけですね。

単純に、アパレル、ビューティーのレセプションやポップアップイベントではプリクラやポラロイドで写真をプレゼントするというのも結構行われていました。そこでハッシュタグでSNSに拡散させて、投稿してもらった人に写真をプレゼントするようにしたのです。好きなブランドのフレームや写真の裏にクーポンなどが付いていると、①SNSのプロモーション費用や②リアルイベントのコンテンツ作成、持ち帰ることができる③ノベルティにもなり、かつ④購買や登録のエンゲージメントメントまで持っていけるツールとして4役をこなすことができます。これまでのように分散させて費用が膨らんでいたところを、#SnSnapを導入することで解決できるため、リピーターも増えてきています。

実施されて、最初の反響はいかがでした?

今は全部デジタルになっている世の中です。音楽もストリーミングでいつでも聴けて、写真もいつでも撮れて印刷をすることはあまりありません。その分、アナログの付加価値が上がってきていると感じています。逆に若い子からすると、プリントすることが新しく感じる世界がきているのではないでしょうか。手元にあった写真が、ハッシュタグで投稿することで会場にあるサイネージから印刷されて持って帰ることができるというと、すごく喜んでくれて当初想定していたよりも反応は良かったですね。

写真をもらうのに1回投稿するのですが、それで印刷して出てきた写真をまたSNSに上げてくれる人がいっぱいいるんです。そこに付いているコメントが、我々の励みになっています。弊社は「熱量とか愛着とか体験値の最大化」という理念を掲げているので、リアルとデジタルをうまく組み合わせてできる愛着体験を作っていきたいなと思っています。

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年齢やジャンルを問わず意欲が高い人が集まっている

TECH LAB PAAKの印象をお聞かせください。

PAAKでいいなと感じたのは、まずひとつは、インターネットや電源など設備面での環境が整っていることです。ふたつ目は、コミュニケーション面での環境です。年齢やジャンルを問わずスタートアップしたいという意欲が高い人が集まっています。それで、負けてられないという気にずっとさせてくれます。隣のチームが活躍し始めているということもわかるし、ほかのチームがカッコいいもの作っているから自分たちの刺激にもなるといった感じです。

あとは実際に、お客様や投資家などをここに連れてくることもできます。ナショナルクライアントをボロボロのアパートに呼ぶのは結構大変です。でもここなら立地もApple Store 渋谷の真上なのでわかりやすく、ちゃんと門構えしてた形になっているところで打ち合わせをすることができます。あとクライアント同士を、スタートアップ同士で紹介し合えるというのもあります。

3つめはお金の面です。まだマネタイズができる前から間借りをしてネットも引いて契約もしてというのは大変。一番大変な最初の半年間を助けてもらえるというのはものすごく感謝しています。

それ以外にも、TECH LAB PAAK主催でいろんなイベントが開催されます。忙しい日々が続く中、クライアント以外にコミュニケーションを取る機会が少なくなってしまいます。ほかのスタートアップの方たちとコミュニケーションが取れるというのはもちろんなのですが、イベントに登壇するような方々と接点を持つことができたり、その講演を空き時間に横で聞いたり、場合によってはそこに来ているクライアントと商談をする機会を得ることができました。そこは単純にオフィスというだけではなく、TECH LAB PAAKならではだと思っています。

平面のデジタルの中では味わえないものがある

今後起こしていきたいイノベーションはございますか?

さっきの話に通ずるのですが「体験・熱量・愛着の最大化」というところで、ゲームなど平面のデジタルの中では味わえないものがまだまだすごくあると思っています。巷ではVRやIoTなどのワードがいっぱい出てきてきて、その技術が僕たちのベンチャーでも手が出せるところまできています。写真をただSNSなどにシェアするだけでは楽しくない。それを別のものに掛け合わせたから、新しい体験や価値が提供できたと思っています。そこの分野はまだまだいっぱいあると思っています。アナログにはアナログならではの素晴らしい価値提供があり、デジタルにはデジタルしかない魔法的な魅力と可能性がある。そこをうまく掛け合わせて面白いものを仕掛けていきたいという思いが一番強いです。

これまではアパレルやサンプリング会場などだったところが、スポーツや観光地、ブライダルなど遊技場、ライブ会場など様々なところからお問い合わせをいただいています。そこをどんどんやっていきながら、さらにパワーアップした価値を提供していきたいと考えています。

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デジタルをもっと身近に感じてもらえる商品を作っていきたい

このプロダクトに興味を持たれている方やエンドユーザーにメッセージをお願いします。

エンドユーザーの方に対しては、デジタルをもっと身近に自然に楽しんでもらえる商品を作りたいと考えています。#SnSnapはその場・その瞬間にしか撮れない写真と、その場でしかもらえないプリントというものを出していますので、そこをまずは単純に楽しんでもらいたいですね。

お客様には、デジタルとリアルを切り離さず両方を掛け合わせたワンストッププロモーションやマーケティングは、これだけ簡単にできますというのを一緒にお仕事して実感していただいきたいと思っています。#SnSnapは今は社名にもなっていて顔の商品ですが、別のサイネージもどんどん作ってコンテンツをリリースしていきます。そこは楽しみにしてください。今年は弊社はかなり攻めますよ。笑

それと、最後は会社の宣伝になりますが。
会社としては若い人が挑戦できる環境を用意しています。是非、エンジニア、デザイナー、ビジネス、インターン含め弊社に興味持ったら連絡ください。笑

info@snsnap.co.jp

ありがとうございます。

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