人生における楽しい瞬間を切りとる、新感覚の撮影体験を。

『フォトビーズ!』鈴木 啓太さん(クイックピジョン株式会社)

人生における楽しい瞬間を切りとる、新感覚の撮影体験を。

 

——鈴木さんのこれまでの経歴を教えてください。

 

大学では社会課題をデザインで解決する研究を行っていて、卒業後はその研究内容を事業化しようと、就職せずに院へと進学しました。そうして実際に、震災などが起こった時に家族同士が連絡を取りやすくなるようにという思いから、次世代型の公衆電話のようなものを作るプロダクトを始めて、起業しました。でも修士2年の時に、震災といういつ起こるかわからないものではなく、例えば誰かが道端で倒れている時に、その人の名前が分かったり、その人の家族と連絡を取ったりすることができる。そんな日常的に起こりうる可能性のある救急事態に合わせたオペレーションサービスへと、路線変更をしました。でも、結局そのプロジェクトは今より世の中が少しだけ便利になるくらいのレベルのもので、世の中から必要とされていないなと気付いたんです。それでその事業からは撤退をし、その後に『フォトビーズ!』の事業をスタートしました。

 

——『フォトビーズ!』とは、どんなプロダクトなのでしょうか?

 

『フォトビーズ!』は、“マイルより笑顔が貯まる”というキャッチコピーを掲げているサービスです。これはどういうことかというと、旅行に行くとマイルが貯まりますよね。でも、人生においてはマイルよりも笑顔だったり楽しい思い出だったりが貯まる方が、ぐんと幸せな人生になると思っているからです。具体的にどんなサービスなのかというと、ある特定のエリア内にユーザーが入ると絶妙なアングルに設置してあるカメラのアクセス権がもらえるというものです。例えるなら、撮影体験版の「ポケモンGO」というとわかりやすいかと思います。

 

——開発を始めるきっかけは、何だったのでしょう?

 

話は小学生まで遡るんですが、その頃から写真を撮ることが好きだったんです。それで、修学旅行で京都、奈良に行った時に東大寺の大仏を見て、その大きさに圧倒されて。家へ帰ってから仏像の実寸大の鼻の光るオブジェみたいなものを作ってしまうくらい、魅了されてしまったんですね(笑)。その時に思ったのが、大仏の目線で人を撮ったらどうなるんだろうということでした。その体験が、『フォトビーズ!』の開発を始める原体験になっているんだと思います。実際に構想を練り始めたきっかけは、2020年の東京オリンピック開催が決まったことです。もともとスポーツ人間だったこともあって、こんなにも自分の住んでいる場所が世界中から注目されて、たくさんの人が集まる機会は一生に一度あるかないか。このチャンスを活かして、何かやりたいと思ったんです。オリンピックの時にたくさんの人が『フォトビーズ!』を利用して楽しんでくれる、そしてその時に自分もワクワクできる、そんなことをやりたいと思ったことがきっかけでした。

 

——『フォトビーズ!』を利用することで、ユーザーはどんな写真を撮ることができるのでしょうか?

 

集合写真や一人旅で自分を入れた写真を撮りたい時など、人に頼まないと撮ることのできない写真を気軽に撮影することができます。設置場所によっては、人が撮るのには難しいけれど、ここから撮影したらすごく良いアングルで撮れるだろうなという場所からの撮影も可能です。そんな風に、まるでそこにカメラマンがいるかのような写真を誰もが簡単に、指先一つで撮影することができます。具体的なシーンでいうと、例えば窓の外にカメラを設置すれば窓越しに自分を撮影することができます。もしくは、水槽の中にカメラを設置しておけば、自分が水槽を覗いているような写真を撮ることもできます。それから、ボルダリングをしている時の写真も、壁の下から誰かに撮ってもらうことはできるけど、上から撮影してもらうのは難しいですよね。『フォトビーズ!』なら、ゴールの印であるゴールホールドを両手で触ると、それがトリガーとなって撮影できるということも可能になってきます。僕たちがユーザーに撮影のヒントを提供して、そこから勝手にいろいろな撮影の仕方をユーザーがどんどん生み出していってくれる。そんな風になったら嬉しいですね。

 

——『フォトビーズ!』は、写真撮影におけるどんな課題を解決してくれるのでしょう?

 

一人旅での自分を入れた写真や、集合写真などを撮るときに、恥ずかしくて人に撮影を頼めないという人も多いかと思います。また、今ここにいる私のファッションやポーズを全部、全身撮影してほしいという人もいるかと思います。後は、友人と旅行や遊びに出かけた時にいつもカメラ係で、家に帰って写真を見返してみると、自分が写っている写真がほとんどないという人もいますよね。そんな人たちの抱える写真撮影に対する悩みや課題を、解決できる。それが『フォトビーズ!』です。

 

——具体的にはどのようなシステムになっているのでしょうか?

 

フォトスポットを開設できる、キットのようなものを提供しようとしています。一眼レフカメラやコンパクトデジタルカメラ、「GoPro」のようなアクションカメラやドローンなど、個人が所有するカメラをシステムに統合することで、ユーザーのスマートフォンにつなぐことができるというシステムになります。このシステムによって、写真映えするような美的空間や景色、眠りやすい資産の一つである個人所有のカメラ、良い写真を撮りたい人、これら三者をマッチングすることができるんです。

 

——鈴木さんの思う、『フォトビーズ!』の一番の価値は何だと思いますか?

 

写真は、「こんな場所に行ってみたい」「この場所で写真を撮りたい」という行動のファクターになるものだと思います。そう考えると『フォトビーズ!』の一番の強みは、撮ることが難しい場所から良い写真を撮れることではなく、OtoOtoOのサービスであることだと思うんです。オフラインからオンラインへという1回の動線だけではなく、オフラインからオンラインへ、オンラインからオフラインへという動線が連鎖していくと考えているんです。例えばユーザーが一つ目のフォトスポットで撮影をしたら、「近くにこんな写真を撮影できるスポットがありますよ」「こんなものが買えますよ」という風にサジェストしてあげることで、ユーザーを次の目的地へと誘導してあげることができる。これが、『フォトビーズ!』の他にはない価値であり、強みだと思っています。

 

——『フォトビーズ!』を通して、どんな世界を築いていきたいとお考えですか?

 

このプロダクトの仕組みは本当にシンプルなので、例えば今すぐにでもバルセロナでスペイン人のおじさんが撮影スポットを開設することも可能です。そうしてたくさんの人が撮影スポットを開設してくれることで、世界中のあらゆるところに『フォトビーズ!』があって、誰もが人生における楽しい瞬間や笑顔を写真として残すことができる。そんな世界になったらいいなと思っています。それから、これはその次のステップとして考えていることなんですが、僕は“人生をいかに楽しんで最期を迎えられるか”みたいなことを人生のテーマとして考えているんですね。そこで考えているのが、人生の楽しい瞬間を切り抜いた写真を『フォトビーズ!』を使ってたくさん集めて、最期の時にフラッシュバックのように再生していく。そうして、人生の最期に「あの時、こんな楽しいことがあったな」「楽しい人生だったな」と思い出してもらえるようなそんな世界を、いつか作っていきたいと思っています。

 

——PAAKについてお聞きします。鈴木さんにとってPAAKの良いところは、どんなところだと思いますか?

 

同じ悩みを持った仲間がいて、その悩みを共有できるところが良いですね。例えば「メンバー集めはどうしてるの?」といった話や、「株式ってどうしてるの?」といった話ができたり、チームのメンバーには言えない代表同士ならではの悩みを打ち明けられたりもできるんです。後は、僕自身はエンジニアリングに関して詳しくないんですが、そういったこともPAAKの他のメンバーの方に気軽に聞くこともできたりして、すごく良いですよ。

 

——最後に、『フォトビーズ!』に興味を持っている方にメッセージをどうぞ。

 

みんなにできるだけ早く、『フォトビーズ!』を届けたいと思っているので、頑張るしかないなと思っています。『フォトビーズ!』があれば、人はよりより人生を送ることができます。来年の春には、リリースできたらと思っていますので、みなさんどうぞご期待ください。

他の記事も読む