大学生の中でのコミュニケーションプラットフォームにしていきたい──Orario芳本さんインタビュー

株式会社Orario
代表取締役CEO 芳本 大樹(右)
取締役CTO 井口 智勝(左)

他の学生と差を付けるために大学入学とともに長期インターンをスタート

まず、芳本さんのご経歴を教えていただけますか?

実は現役の大学生です。地元が奈良で、現在大阪の立命館大学に通っています。大学に入ったときに、就職する際に他の学生と差をつけたいと思い、長期インターンを始めました。そこは高校時代に先輩がインターンをやっていたのを知っていたので、紹介してもらいました。通信会社の営業だったのですが、入学した4月からスタートして2年ほどやっていました。

結構人としゃべるのが好きだったので、相性が良かったのか入社して2~3ヵ月目で営業成績のトップを取れました。その2年間の中で、責任者を任されたり関東の事務所を起ち上げるときの採用や社員研修・教育なども行っていました。その後、2年生の夏ぐらいにはじめて会社を起ち上げました。

最初に起ち上げた会社では何をされていたんですか?

介護施設向けのレクリエーションの代行をやっていました。認知症予防を目的とした、タブレットを使った脳トレ教室で、学生の講師などを派遣していました。今は人材の派遣は行っていませんが、コンテンツは提供し続けています。その後、4年生になったときにOrarioという会社を立ち上げ、こちらのTECH LAB PAAKに入りました。

起業したきっかけは、元々僕自身が『Orario』という時間割管理サービスのユーザーだったんです。開発者を共通の友人から紹介してもらい、そこから話をするようになりました。ある程度アクティブユーザーもいて伸びる可能性を感じたので、一緒にサービスを広げていこうという流れで起業しています。

現在の会社は、母体があったということですか?

会社という形ではなくサークルでした。学校内にアプリ開発サークルがあり、20名ぐらいが参加していて3~5名のチームで、半年ぐらいでひとつのプロダクトを作っています。大学生に特化したアプリを作ろうというのがミッションで、バスの到着カウントダウンアプリや図書館の貸し出し状況の検索アプリなどを作っています。その中のひとつが、今『Orario』がやっている時間割サービスです。

そのサークル自体は、卒業後に後輩にプロダクトを譲っていくという流れだったのですが、その中でも『Orario』の利用率が飛び抜けて高かったんです。当時は立命館大学だけのサービスだったのですが、ほかの大学でも行けると思い、開発者の井口(現CTO)を誘い起業しました。

散在していた大学内部の情報をアプリで集約

プロダクトについて詳しく教えていただけますか?

簡単に説明をすると大学生向けの履修管理アプリです。 大学が公式に提供している情報に、時間割や休講、テスト、教科書といった情報などがあります。それらは、ホームページなどでアナウンスはされているものの、あちらこちらに散在している状態でした。

それらの情報を、閲覧するのが面倒だったのと、そもそもスマートフォンに最適化されていなかったので、ひとまとめにしてしまおうと作ったアプリです。

学籍IDとパスワードを入力するだけで、自動的に自分の学籍と紐付いた情報を取得することができます。今日の授業の教室や先生、出欠や休講の通知なども届くようになります。

情報の取得元は、学校によってばらばらですか?

そうですね。学校ごとにカスタマイズしています。今出している8大学の中では、立命館と同志社が飛び抜けていて、多くのユーザーが利用しています。立命館では全校生徒の7割、同志社でも6割弱ぐらいの生徒がダウンロードしてくれています。今年の4月より東大早慶上智MARCH、阪神関関近大、九大を含めた18大学がリリースされます。

『Orario』というサービス名の由来を教えて頂けますか?

サービス名にもなっている「Orario」は、イタリア語でスケジュールや時間割を指す言葉です。他に何語にしようか迷っていたときに、直感的に丸っぽくてかわいいところから付けました。

アプリはどのように広めていきましたか?

特に大きなことはしていませんが、広め方としてはツイッターが大きいですね。サークル単位でツイートやリツイートしてもらい、口コミで広がっていきました。あとは今流行りのインフルエンサーですね。同志社や立命館で、 ミスキャンパスとタイアップの企画を行い彼女たちの拡散力にご協力いただきました。

当初から増えた機能はございますか?

4月より時間割の自動取得に加え、授業チャット機能とノート共有機能が追加されます。ユーザーさんから要望をいただくことが多かった機能を実現しました。せっかく多くの方にご利用いただいているのにただ時間割を確認するだけになっていたので、インタラクティブなやり取りを追加して、よりアクティブに使ってもらえるソーシャルな形にしてみました。

アプリのユーザー数はどれぐらいですか?

今は全体で6万人ぐらいです。

このアプリはいつ頃生まれたものですか?

もうすぐ2年になります。当初は立命館向けだけだったのですが、僕が入ってから同志社向けを作って、現在の18大学まで広げています。

ユーザーから何か要望が来たりしますか?

アプリ内で要望を投稿できるようになっているのでそこからいただいた要望をシートにまとめたり、ツイッターでのアプリに関する書き込みを集めたり、その中から重要度の高いものや、問い合わせの多いものをどんどん改善していく作業を続けています。ご要望をいただいてから「確かにそうだ」と思うことがたくさんあってすごく助かっています。他大学学生から「うちの大学にも作ってください」というのも多いですね。大学から直接依頼が来ることもあります。今は規模の大きい大学から展開していますが今後全国で対応していきたいですね。

アプリはどの大学向けの物でも同じ仕様ですか?

基本機能は同じですが、大学ごとにローカライズさせている機能があります。例えばAの大学では図書館の貸し出し状況を閲覧できたりBの大学ではオンライン学習ツールを機能として導入したりと、そこの大学の生徒からヒアリングしてよりその大学にフィットしたサービスづくりを心がけています。あとは愛着を持ってもらうためにアプリをスクールカラーにしています。

マネタイズはどうされていますか?

広告ですね。属性がかなり絞られているのがOrarioの強みです。大学・学部学科・専攻・性別・学年がわかるので、1年生から4年生までのライフイベントに応じて必要な広告を配信します。例えばシンプルですが4月なら新生活の家電だったり3年生なら就活だったりですね。でも僕は広告大嫌いですし、今の若者はクリックしないですよね。なのでコンテンツとして成立したものを提供したいです。それが結果として広告になった。という有益なものにしたいですね。

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PAAKはコミュニケーションやネットワークという意味でもいい場所

TECH LAB PAAKはどういう場所だと思いますか?

実家は奈良なのですが、作業するのはこちらの方が多く、毎週夜行バスで東京に出てきています。開発チームは東京にいるので、土・日はこちらに集まってみんなで作業していますね。

PAAKの印象としては、入った当初と今とでは全然違うものになっています。最初はイケイケの人たちのスタートアップ集団が沢山いて、僕たち的には居心地の悪い場所かと思っていました。でも、今は皆さんと仲良くなり、いろんなことを相談できるようになりました。

先輩達とも話すことができて、その人たちが少し前にぶつかった問題に、僕たちがちょうどぶつかったときに、的確な答えを頂けます。相談相手として良い人たちが集まっているなといった印象ですね。

作業場所としてももちろんですが、そうした人とのコミュニケーションやネットワークという意味でも、すごく良い場所だと思います。

大学生が大学生活の中で便利だと思うサービスを作りたい

今後どんなイノベーションを起こしていきたいですか?

僕たちのサービスは大学向けなので、そこから外すことは考えていません。大学生を中心にした、ステークホルダー向けのサービスは出しますが、基本的には大学生が大学生活をしていく中で便利だなと思うサービスを作りたいと思っています。

『LINE』のように、大学生の中でのプラットフォームにしていきたいです。成果発表会でLINEの砂金さんに「LINEに勝ちます(笑)」って言っちゃったので。大学生にとって必要な情報が全て集まったインフラのような状況にしていきたいと考えています。就活や留学など、いろんな情報を自分から取りにいかなければならないという状況から、これさえ見ればすべてが集まっているというふうにしていきたいです。

今年中に予定されているアップデートはございますか?

ユーザーさんからいただいた要望を元にひたすら改善していくことですね。機能をどんどん追加するというよりは今年は、安定したサービスにするためのグロースハックを行っていくことに力を入れます。特に大学ごとのローカライズ機能は、在校生と協力しながら行っていきます。年内には現在の6万人から50万人ぐらいまでユーザーを拡大していきたいと考えています。

学生の時間的なロスや損失をなくすアプリでありたい

このプロダクトに興味を持った方に対してメッセージをお願いします!

使っていただく学生には、今まで検索に手間がかかったり見逃してしまった情報、落としてしまった単位など、時間的なロスや損失をなくすアプリでありたいと思っています。ハブ的なサービスを目指しているので、全ての大学生に使ってもらいたいです。これさえ入れておけば、大学生活は乗り切れるというアプリを目指していますので、ぜひ使ってみてください。
企業様には、毎日見る学生に寄り添ったアプリなので、企業様のマーケティングやにご協力できると思います。これからクーポンの配信やアンケートリサーチも行えるようにしていきます。これまで企業が入りにくかった「大学」というブラックボックスに、僕たちはピンポイントで入ることができています。そのリソースをうまく活用して、ぜひお役に立てればと考えています。

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