インターネットに体験を乗せて届けることでプロダクトに差別化ができる――AMATELUS Inc.インタビュー

松田光秀さん
石井翔さん
AMATELUS Inc.

オープンソースとビジネスツールのふたつのプロダクトで活動

AMATELUS Inc.について教えていただけますか?

会社の中に大まかに分けて、プロダクトがふたつあります。ひとつは「jThree」で、スマホにも対応したWeb3Dを動かすためのオープンソースです。この「jThree」はコアのプロダクトで、それを利用して「AMATELUS(アマテラス)」というビジネスツールを開発しています。GUIを組み込んだ3Dコンテンツを、簡単に作ることができるものです。
ウェブデザイナーに3Dエンジニアの開発力を授けるWeb3D/VRコンテンツ開発ツール「AMATELUS
ウェブデザイナーと3Dエンジニアの分業開発を実現するビジネス指向のWeb3Dオープンソースライブラリ「jThree

これまでの経緯を教えていただけますか?

2015年8月に、米国のデラウェアで設立しました。最初、別の共同経営者とふたりで「jThird」というプロダクトをやっていました。これはVRやARを投稿する、3D版のYouTubeみたいなものだったんです。しかし、キャッシュポイントが遠くてどうやってお金にするか見せきれずに「AMATELUS」に切り替えたんです。

世界を変えるために米国デラウェアで会社を設立

「jThree」はいつから開発されていたのですか?

2年前に「jThree」を思いついたのが根幹です。WebGLというものが、難しくて誰も触れ無いものでした。それを、ウェブデザイナーでもがんばって2~3時間講習すればできるぐらい簡単にするアイデアを思いついて作ったのが、「jThree」です。それをベースに、みんなで投稿するサイト「jThird」を作りました。

私自身(松田さん)はプログラマーとしては優秀ではないので、ごっそりとソースを書き換えなければいけなくなりました。そこで連れてきたのが今のメンバーです。なぜ自分で出来ないと思ったかというと、私は元々とび職をやっていました。札幌に生まれて17歳まで高校に通っていましたが、家出をしてとび職を3年ぐらいやっていました。それをやめて、3年間ぐらいフリーターなどいろんな仕事をして、3年前にたまたまHTML/CSSに出会ったんです。それを突き詰めていったところ、WebGLに出会いました。そこで挫折したのですが、その瞬間に「jThree」のアイデアを思いつきました。

海外で法人を作ったきかっけを教えてください。

僕らの作ったツール群は、世界中が求めている。世界に届けたい。世界を変えたいと思ったところがスタートです。そのために資金を集めたり、どの市場を開拓するかと考えたところ、アメリカを拠点にしていきたいと考えました。

「AMATELUS」というツールを作る前に会社はデラウェアになくて、お金が集まったら会社にしようというチームのようなものでした。実際に「AMATELUS」を作ったのは、2016年1月ぐらいです。いろいろプロトタイプを作って、ビジネスになりそうなものをみんなの提案で選びました。

「jThree」の特徴を教えていただけますか?

Web3Dはウェブ上で3Dが扱えるものです。3Dって、思っているほど3Dではないこともあります。今までウェブでは、テキストや動画や画像、音楽などが使われていました。それに対して、3Dも使えるようにしようというのが僕らのプロジェクトです。ウェブデザイナーが、普段使っているリソースと全く同じ要領で作ることができるといった感じです。

HTMLを拡張したようなレベルでできるということですか?

そういうことです。HTMLのタグに似たものが使えて、そのルールをデザイナーが知っているものなのです。これまでデザイナーがHTMLのライブラリでよく使っていたものに、jQueryというものがあります。これと全く同じ記法でタグの操作が行えます。そのため、これまでの言語に比べてマスターするまでの時間が断然短くなります。

「AMATELUS」の特徴を教えていただけますか?

Web3Dが活用できるもののひとつに、賃貸物件の内覧などがあります。たとえば、ユーザーが部屋のコンセントの場所を知りたがっているとします。でも、それらは情報としては記載されていません。でも部屋の中を360度で見られるようにすれば、コンセントの位置だけではなく得られる情報も増えると思うんです。

このようなサイトを作るときの特徴として、画像が違うだけなどのテンプレート化されている場合が多いと思います。そのテンプレート部分を最初に作ってもらいサーバにアップロードしてもらうことで、フォームが自動で生成されます。それをWordPressなど現場で使用している環境にコードを埋め込むことで、利用することができるといったクラウドサービスになります。

TECH LAB PAAKは僕たちにとってホームなんです

TECH LAB PAAKの印象をお聞かせください

僕たちにとってホームなんです。最近は訪問するよりも来てもらうことが多いんです。大企業でもなんでも、とりあえずここに来てもらうんです。それで「ありがとうございます。私、ホームの方がしゃべりやすいんです」というのを毎回言います。そういう場ですね。

デザイナーのツールのひとつとしてWeb3Dを普及させたい

これから起こしていきたイノベーションはございますか?

Web3Dがデザイナーにとって、画像や映像のように当たり前のように存在して、彼らがデザインのひとつのツールとして使えるようになる。そのような状況に持っていくことが、僕らの野望でもあります。

3Dってそもそもウェブにいるのか? といった意見は、結構多いと思います。もしこれが簡単に使えるようになったら、デザインのパラダイムが変わるのではないかと考えています。そのような変革を起こすために、「jThree」はやっています。

アプリではなくウェブの差別化こそがこれから重要

このプロダクトに興味を持った方へのメッセージをお願いします。

最近ウェブの時代は終わり、アプリの時代だと言う人がいます。統計的に見れば、ユーザーの起動時間の8割はアプリです。確かにそうだなと思う一方で、サービスにおけるユニークなユーザーの数はウェブのほうが圧倒的に伸びています。それを考えると、企業において顧客にリーチして自分たちのプロダクトを買ってもらうには、アプリは差別化にならないと思っています。そのうえで、新しいユーザーにも自分たちの価値を知ってもらうために、ウェブの差別化が不可欠です。

ウェブの差別化とひと言でも言っても、現状は一定の水準に落ち着いて難しくなってきています。そこに対して、「AMATELUS」はかなり低価格でサービスにあった差別化が提供できます。

僕たちが売っているものは、Web3Dではありません。やりたいのは、インターネットに体験を乗せて届けていくことです。3Dができる本質的なことは、そこです。情報ではなく体験を乗せていく。その結果、プロダクトそのものを差別化できるようになります。

ありがとうございました。

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