海外スタートアップ参加の11期生デモデイ!医師専用のオンライン相談サービスがWで賞を獲得!—OPEN PAAK DAY#11レポート

2018.4.17

3ヶ月に一度行われる成果発表会、OPEN PAAK DAY!第11回目となる会が、3月20日に行われました。11期メンバーは、新しい取り組みの一つとして海外スタートアップ支援コースが新設された代です。今回も、本気で未来を変えてくれそうなあっと驚くようプロジェクトが揃いました。

メンバー一人ひとりのピッチ内容を中心に、当日の成果発表会の様子を本レポートでお伝えします。

 

なお、今回審査員を務めてくださったのは以下のみなさんです。いつもありがとうございます!

砂金真一郎さん(LINE Developer Relations Teamマネージャー)

岩本有平さん(TechCrunch Japan 副編集長)

奥田浩美さん(株式会社ウィズグループ 代表取締役)

澤山陽平さん(500 Startups Japanマネージングパートナー)

山口豪志さん(ProtoStar COO)

岩本亜弓(TECH LAB PAAK所長)

 

【成果発表(3分ピッチ)】

 

1.「heymesh」by梶谷健人さん(MESON)

「heymesh」は、AR・VR向けの3Dモデル検索エンジンサービス。現状、3Dモデルを検索する時に問題とされている点は3つ。データがいくつかのサイトに分散していること、詳細なスペック軸で探す方法がないこと、ライセンスチェックの手間があること。当プロジェクトは約15サイトから横断検索することができ、その数は約150万点。ライセンスレベルでの検索や各種スペック軸での検索も可能。今後、3Dモデル制作費削減のソリューションを提供していくことで、マネタイズを目指すとのこと。

 

2.「ヘルスケアデータプロダクト」by阪本怜さん(株式会社フラジェリン)

現在、医療の分野で医療費・調剤費が増大しており、その額は約50兆円。調剤薬局や製薬会社では、データを使っていかに生産性向上させていくかが課題になっているとのこと。しかし、ヘルスケアのデータは分析に適さないものが多く、複雑なものが多い。フラジェリンが提供するのは、そんな複雑なヘルスケアデータを誰でも使いやすくするプロジェクトだ。見込める市場は1,000億円以上。今後は、オフライン・オンラインのデータを軸としたセールス&マーケティングの最適化を図っていくと語った。

 

3.「Osushi」by松田承一さん(ウォンタ株式会社)

オンライン上で架空のお寿司を送ることで、気兼ねなく投げ銭ができるサービス「Osushi」。1月に事前登録を開始したところ7,500人の事前登録者を獲得し、2月にリリースするものの炎上。公開時間はわずか7時間という結果に。その後、問題があった箇所を改善して3月に再リリースしたとのこと。初日は30,000ユーザー、1週間で13,000回のユーザー間のやり取りを記録。今後、本プロジェクトを通じて気軽に誰かを応援したり、感謝の気持ちを伝えたりできる新しい文化を作り、人々の繋がりを強めていくのがウォンタの目標だ。

 

4.「PSYGIG」Lo King Man Garyさん(サイギグ株式会社)

モビリティIoT開発のエンジニアに向けたプログラム診断SaaSを提供する、サイギグ。TESLAやUberの自動運転車の事故が頻発している中で、先日はついに死亡事故も発生。そんな状況の中で大事なのは、システムの分析・解析をして弱点を見つけていくことだ。そこでサイギグでは、ロボットのマッピングを行うSLAM系の技術を使ってシステムの分析・解析を行い、そのシステムのどこが問題なのかを把握するSaaSを提供している。そうすることで、エンジニアの開発スピードを促進していくとのこと。

 

5.「フォトビーズ!」by鈴木啓太さん(クイックピジョン株式会社)

「フォトビーズ!」は、例えて言うなら撮影体験版のポケモンGO。ある撮影スポットにスマホを持って近づくと、人に頼まないと難しい撮影や、人では撮れないアングルの撮影が指先一つで可能に。仕組みとしては、撮影スポット解説キットを提供しているとのこと。ここ最近の成果として、高速・低遅延なライブビューやUSB制御によってカメラの安定稼働が可能になってきたこと、屋外設置を始めていることを挙げた。大手企業との契約も間近で、4月に新たなフォトスポットのリリースを目指しているそうだ。

 

6.「POPSTAR」by角館浩太郎さん(株式会社雷公鞭)

出版不況が叫ばれている今、書店で販促効果を上げているのが手書きPOP。しかし、制作のノウハウや時間がないという点から、採用店舗は少数とのこと。「POPSTAR」は、それらの問題を解決するため、POPをデジタルデータ化してクラウド操作で新しい資産にするというサービスだ。ユーザーはPOPをクラウド上からダウンロードでき、POPを作成したクリエイターはダウンロード料を得ることができる仕組みとなっている。スマホをかざせばAR上でPOPを見ることも可能。実際にARのPOPを導入したある店舗では、1年を通して10冊売れなかった本が、1週間で30冊売れたという実績あり。

 

7.「AntaaQA」by中山俊さん(アンター株式会社)

実名・医師専用で、医師が診療時間内に使えるオンライン相談サービス「AntaaQA」。開発したのは、自身も整形外科医である中山さんだ。その背景には、医学知識の量が年々格段に増えていて2020年には72日間でその量が2倍になると見込まれている状況があり、それを可能にする医師は不可能になるだろうとのこと。本プロジェクトは、招待制で厳しい審査を設けてユーザーを増やしてきており、現在登録者数は1,000人超。登録者数増加によって15分以内に4割の解答率にまで達していて、実際に短時間で患者の受け入れ先が決まって命を救ったという事例も。

 

8.「イースマイリー」by矢澤修さん(株式会社イースマイリー)

「イースマイリー」は、障がい・難病を抱えた当事者とその家族に向けたコミュニティーサービス。スマホの普及によって、障がいや難病に関する情報を手に入れやすくなったものの、嘘やデマ情報、誹謗中傷などネガティブな情報も溢れているのが現状。本プロジェクトは、当事者やその家族、医療従事者やNPOなどの支援団体から正しい知識や知見情報だけを集め、成長や疾患の進行度によってデータベースを整理することで、ユーザーが求める情報を見つけやすくなっているのが特徴だ。追加で質問を投げかけることも可能で、ディスカッションを通じて当事者やその家族の未来への不安を払拭していきたいと語った。

 

9.「Payme」by後藤道輝さん(株式会社ペイミー)

単身世帯の2人に1人が貯金ゼロ、銀行カードローンの利用率が増加しているという状況の中で、新入社員にとって入社初年度の4月は特にお金に困る時期。それは、末締め翌月払いというシステムが50年間変化していない状況があるからだ。そこでペイミーでは、いつでもどこでも給料を即日振り込みできるサービス「Payme」を提供している。本プロジェクトを導入することの企業側のメリットは3つ。従業員の信用情報の保護、従業員定着率の向上、求人応募数の向上が挙げられる。現在、利用社数は72社以上。人数としては12,000人以上を上回っているとのこと。

 

10.「TEAMKIT」by小谷草志さん(株式会社Lbose)

Lboseのビジョンは、「職業は私です」が普通になる社会を作ること。そのために提供するサービスが、“プロジェクト単位で働く”を実現するためのプラットフォーム「TEAMKIT」だ。具体的なサービス内容としては、全国で活躍するフリーランスや小規模の事業者にユーザー登録してもらい、お互いに仕事をシェアしたり、チームを組んだりできる理想的な仮想のコワーキングスペースを提供するというもの。希望する働き方やスキル、ポートフォリオ、コネクションを一覧で表示して可視化することができ、スムーズな仲間探しを促進することが可能。現在、事前登録者は250名を超えているとのこと。

 

11.「Recipio(レピキオ)」by平塚登馬さん(株式会社TADAGENIC)

PAAKに入居した当時のプロジェクトから大きくピボットし、現在開発中の「Recipio」は、AIがチャット形式でユーザーにぴったりの献立とレシピを教えてくれるサービスだ。今日は何を作ろう、家にある材料ベースで献立を考えたいという料理を作る際の課題を解決するプロジェクトになっており、一番のポイントは購買、料理、食事の一連のサイクルのパーソナルデータが取れること。今年の上半期中にはスマートスピーカーに対応していく予定で、いずれは食品小売や外食産業への進出も考えているとのこと。

 

12.「MikaL(ミカエル)」by會田昌史さん(フロッグカンパニー株式会社)

ブロックチェーンを活用した、物々交換マーケットプレイス「ミカエル」。交換方法はいたって簡単で、段ボールに交換したい荷物を入れてアプリ上の集荷ボタンを押すだけ。荷物は全て契約している倉庫に集められ、スタッフが商品を撮影し、アプリ上にアップするのでユーザーは手間がかからず、さらにブロックチェーンによって不正ができない仕組みなのが特徴だ。また、自分が預けている漫画などをストリーミングでいつでも楽しむことができる。ハイブリッド機能として書籍の場合予約購入することもでき、発売日にアプリに反映されていち早く確実に読むことができるという特徴も。

 

13.「ShareONE」by伊藤由紀子さん(株式会社ゼスト)※当日欠席のため、動画による成果発表となりました。

長年の経験が必要とされるシフト編成やスケジュール調整など、人のやり繰りを自動化するシステム「ShareONE」。人が最も効率的に動けるよう最適化することで、生産性は2倍になり、人手不足が解消されるメリットが。現在特化しているのは、訪問看護・介護の分野だ。現場で未だに紙やファックスを使っていることが多い日本に対して、PCを導入しているところがほとんどだというアメリカ。そのアメリカでならすぐにサービスを導入できること、10社以上から導入したいというオファーが来たこと、最大手のベンダーでもこの手のサービスに参入していないことから、日本のデジタル化を待つ前にアメリカ進出を決意したという伊藤さん。現在はシリコンバレーを拠点に、エリアを拡大中だ。

 

【成果発表(1分ピッチ)】

 

14.「いきものペン」by田谷圭司さん(Team-pen)

勉強したくなるシャープペンシル「いきものペン」は、子どもに自ら学ぶ習慣をつけさせるペン型のIoT機器だ。子どもがペンで文字を書くと、ペンが科目を判別してくれ、グラフ化と学習過程を親に通知。夢のあるキャラクターが学習進度や科目に応じて育っていき、それを見ることで子どもの学習促進にも繋がると考えているとのこと。これまでに50名以上の親子にユーザーテストを実施。全員から欲しいとの反応があったそうだ。

 

15.「AI Community Assistant」by茂木桂樹さん(CrossbordersInnovation株式会社)

社内で新規プロジェクトにアサインされた時、そのプロジェクトが自分の専門外であると調べなければいけない。ググるのも微妙だし、知見のある人を見つけることは難しい。そんな課題を解決するのが、個々人の知見・関心を可視化して社内の人をマッチングする本プロジェクトだ。社内に存在するスキルシートなどを活用し、面倒なプロフィール入力などは必要なし。今後は、会社に限らずさまざまなコミュニティーに活用していくとのこと。

 

16.「EnumCut(エナムカット)」by Michael Seung-Hyuck Choiさん(ENUMNET)

ENUMNETが開発する「EnumCut」は、画像の背景除去とオブジェクト抽出を自動で行うサービスだ。現在ユーザー数は5万人。ECサイトの商品写真の背景除去などに活用されているとのこと。今年の秋には全ての背景除去作業を完全に自動化したバージョンにアップグレードする予定。今後はAIの学習データ生成や、成人向けコンテンツやリベンジポルノのブロックなど、活用例の幅を広げていくと語った。

 

17.「Pedaru」by Jad Salehさん ※当日欠席

 

18.「X CAN」by Dong seokさん(CNA)

「X CAN」は、ワイヤレスでスマホを充電できるモバイルチャージャー。デバイスをカフェなどに設置することで、お客はレジに並ぶことなく、アプリのインストール不要でテーブルオーダーを行うことができるとのこと。それぞれのお客に向けたターゲティング広告を配信することも可能で、飲食店の売上アップにつなげていく。カフェを始め、レストラン、居酒屋、漫画喫茶などが対象となる予定だ。

 

19.「Musubi」by千葉恵介さん(Roamers OÜ)

エストニアで起業した千葉さんが展開するのは、感謝経済「Musubi」。貨幣経済である今、モノは豊かになったものの心は豊かになっていない。そこでRoamers OÜが目指すのは、貨幣ではなく世界が恩送りで成り立ち、心の豊かさを育む感謝経済圏だ。そのためのオンラインの場が本プロジェクトとのこと。今後はオフラインの場として軽トラックの2階に家を作り、日本中、世界中を回って感謝経済を体感できる場も育んでいくそうだ。

 

20.「insuran」by杉田翔栄さん

11期で最年少の高校3年生である、杉田さん。イーサリアムブロックチェーンを使って既存の保険システムを再創造するプロジェクトが「insuran」。実際にスマホの画面修理などモバイル保険のプロトタイプを作るまでいったが、現在は開発をストップしているとのこと。今後は、組織の新しい形態を再創造するプロジェクトへピボットしていく予定だと語った。

 

こうして全19チームの発表が、終了しました。11期メンバーのみなさん、限られた時間の中で熱い思いが込もったピッチをありがとうございました!そして、半年間のPAAK生活、本当にお疲れさまでした。

成果発表後はいよいよ、審査員による特別賞の発表へ。中には、審査員による特別賞とオーディエンス賞、どちらも受賞するという強者もいらっしゃいました!受賞されたみなさん、おめでとうございます!

本レポートでは、賞を受賞されたプロジェクトの紹介、受賞したチームの喜びの声、審査員による講評を続いて掲載しております。ぜひ、ご覧ください。

 

 

【500 Startups Japan賞】

「heymesh」by梶谷健人さん(MESON)

副賞:コンラッド東京 日本料理「風花」会席ディナーコース2名様分 ご招待&SLUSH TOKYOブース出店権利

 

澤山さんの講評:目の付けどころがいい。今は情報をいろんなところから引っ張っただけのプロジェクトではあるかもしれないが、今後テクノロジーと掛け合わせていけばもっと面白いプロジェクトになるのではと期待を込めて。おめでとうございます。

 

受賞者のコメント:嬉しいです。おいしいご飯をいただいたので英気を養って、チーム全員でAR・VRの未来を築いていきたいと思います。ありがとうございました!

 

【Protostar賞】

「イースマイリー」by矢澤修さん(株式会社イースマイリー)

副賞:蟹三昧セット&コワーキングスペース「Clipニホンバシ」利用権利&SLUSH TOKYOブース出店権利

 

山口さんの講評:実は身体障がいを抱えている人や疾患を抱えている人が僕の周りにも数多くいて、その当事者や家族の課題を解決するものとして、今後ますます求められていくサービスだと思います。ぜひ実現させてください!

 

受賞者のコメント:僕の兄弟が疾患を抱えているという経験もあり、このプロジェクトはある意味僕の使命だと思っています。難易度は高いものの、できるのは自分しかいないはずなので、実現させて多くの笑顔を作っていきたいです。ありがとうございました。

 

【TechCrunch Japan賞】

*写真は岩本(有)さんに代わり、岩本(亜)が代理表彰

「AntaaQA」by中山俊さん(アンター株式会社)

副賞:松坂牛選べるセット&次回のTechCrunchスタートアップバトルの出場権利&SLUSH TOKYOブース出店権利

 

岩本さんの講評:既に1,000人規模の良好なコミュニティーができあがっていること、実際に人命を救っていることを聞いて、選びました。今後さらに良好なコミュニティーにスケールしていくことを期待しています。頑張ってください!

 

受賞者のコメント:こんなに素晴らしい賞をいただけてうれしいです。今後もいいサービスを作っていって、いろんな人の役に立っていきたいと思っています。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

 

【LINE賞】

*写真は砂金さんに代わり、岩本(亜)が代理表彰

「POPSTAR」by角館浩太郎さん(株式会社雷公鞭)

副賞:東京・品川 屋形船(飲み物付食事乗合船)3名分 ご招待&「Clova Friends」&SLUSH TOKYOブース出店権利

 

砂金さんの講評:潜在的なキュレーターを発掘する素敵なサービス。「POPSTAR」から未来のトップクリエイターが生まれて、LINEのクリエイタースタンプを超えるサービスになることを祈っています。LINEと提携して、販売促進できるプロジェクトを何かやりましょう!

 

受賞者のコメント:PAAKに半年間いたおかげで、大分成長できたなと感じています。これからもPAAKの卒業生として誇りを持ってやっていきたいと思います。ありがとうございました。

 

【Visionary賞by Hiromi Okuda】

*受賞者が海外に滞在中のため、奥田さんからのコメントのみ

「ShareONE」by伊藤由紀子さん(株式会社ゼスト)

副賞:Apple Storeギフトカード3万円分&SLUSH TOKYOブース出店権利

 

奥田さんの講評:今日は、本気でグローバルを目指すチームを選ぼうとここに来ました。そうしたら、目指すどころか既に海外進出している人がいたので、もうこの人しかいないと思って伊藤さんを選びました。おめでとうございます!

(受賞者のコメント:当日欠席のためコメント割愛)

 

【TECH LAB PAAK賞】

「TEAMKIT」by小谷草志さん(株式会社Lbose)

副賞:Amazonギフトカード3万円分&SLUSH TOKYOブース出店権利

 

所長の講評:コミュニティーを運営している人間として、「TEAMKIT」は本当に理想的な働き方だと思っています。今後事例を作っていって、本当に世の中を変えるプロジェクトになることを期待しています。PAAKのメンバーみんなを巻き込んで、頑張っていってください!

 

受賞者のコメント:僕たち自身が元フリーランスなので、プロジェクトベースで働くことの難しさとその魅力や大切さを知っているので、そこに注力していきたいと思っています。ありがとうございました。

 

【オーディエンス賞】※会場にいるオーディエンスの投票により、決定

「AntaaQA」by中山俊さん(アンター株式会社)

副賞:TECH LAB PAAKプロジェクトメンバー権利3か月分&SLUSH TOKYOチケット(チーム人数分)&SLUSH TOKYOブース出店権利

 

受賞者のコメント:栄えある賞をくださり、ありがとうございました。このサービスを使って、みなさんがいつか病院に行った時に問題なく医療を受けられる未来を作っていきたいです。そして、日本の医療は本当にレベルが高いので、世界を巻き込むサービスにまで成長していきたいと思っています。