【実施報告】シリコンバレーの現地IT企業から学ぶ!「テクノロジーで世界をよりよくする」ワークショップレポート(後編)

2017.5.25

2017年3月5日から約10日間の日程で行われたTECH LAB PAAK主催の「Silicon Valley Workshop 2017 」。前編に引き続き、Google、Airbnbなどへの訪問や成果発表までのレポート後編をお届けします!!
※前編はこちら

Silicon Valley Workshop 2017 主なスケジュール
3/5 出発、観光
3/6 Recruit Institute of Technology、GitHub訪問
3/7 HOMMA訪問
3/8 Stanford大学訪問
3/9 Google、YJ America、Airbnb訪問
3/10  自由行動(企業/大学訪問など)
3/11  自由行動、成果発表
3/12  観光
3/13  帰国

Google: ひらめきを生かす柔軟な働き方

続いては、昨年度も訪問させていただいたGoogle本社にて、日本人エンジニアの方にお会いし、Googleカラーのパラソルが広がる社員食堂のテラス席でお話を伺いました。

Googleでは、やはり特徴的なのがその柔軟な働き方です。業務のうち、20%の時間を自分の好きなことに費やせるという有名な「20%ルール」を用いて、新卒1年目の社員がGmailの元となるアイデアを発明したり、スペインのエンジニアが自転車にカメラをつけて撮影したことからGoogleストリートビューが生まれたように、業務外でひらめいたアイデアを大切にしようという文化があります。また、そのような自分のアイデアを広められるように、「dogfood」と呼ばれる仕組みでは、自分が開発したツールを全社メールでトライアル版として配布してフィードバックをもらったり、「TECH TALK」という社内イベントで自分が話したいことを発表でき、偶然通りがかった社内上層部の方々の目に止まって、プロジェクトとして発展することもあるようです。

社員の業務時間は定時では午前9時から午後6時までと決まってはいますが、チームメンバーはヨーロッパやアジアなど世界各地に散らばっているため、コミュニケーションの時間帯なども含めて柔軟な働き方が求められるようです。また、マネージャーが部下に対して報告の義務などをつけて細かく管理することも禁止されていたり、海が好きなエンジニアは、ゴールドコーストに引っ越し、昼間はサーフィンをしてから仕事をするような社員もいたりと、エンジニアにとってはまさしく理想的な環境と語っておられました。

そのような環境の中で、お会いしたエンジニアの方は社内の人たちとの横のつながりを大切にしており、例えば、社内用のGoogle+で社員と連絡を取り合ったり、自分が今担当している仕事が会社でどのように生かされるかをまとめたレポートを共有したりすることも意識して行っているそうです。場合によっては突然解雇されてしまうこともあるアメリカ社会の中で、そのように自分のスキルや存在価値をアピールすることも大切とのことでした。
参加者からのどんな質問にも気さくにお答えいただいた後は、社内にあるGoogle公式のお土産屋さんもご案内いただき、参加者は大満足のお買い物もできたようです!

YJ America: シリコンバレーで生き延びるスタートアップとは?


続いては、かつてオバマ大統領も就任前に視察に訪れたというPlug and Play Tech Centerへ! Plug and Play Tech Centerとは、約400のスタートアップが入居するグローバル・イノベーション・プラットフォームで、投資家向けにピッチを行うイベントが定期的に開催されたり、大学や企業との連携もされていたりと、シリコンバレーのエコシステムの縮図ともいえる施設であり、かつてはGoogleやPayPalが入居していたことでも知られています。こちらでは屋上にて、ヤフージャパンの米国法人YJ AmericaのCEO・Presidentの坂本孝治氏からお話を伺う機会をいただきました!

YJ Americaは親会社ソフトバンクのシリコンバレーオフィスを活動拠点とし、ワシントン州にてデータセンターの運営や、シリコンバレーのスタートアップを発掘して日本進出のサポートなどをされています。商社のネットワークエンジニアを経て、「インターネットで人々の生活を便利にしたい!」という思いを持って、ヤフー株式会社でEC事業の責任者を務めてきた坂本氏。2014年からシリコンバレーに在住しており、現在は週の半分は外出し、スタートアップのピッチを見たり、Oracleなどを訪問し最先端の技術を視察する毎日とのことです。数々のスタートアップのピッチを見る中で、坂本氏は1 .社内で技術をもっているか、2. 競合分析ができているか、の2点を重視して見ているとのことでした。その中で、成功するスタートアップは、市場とプロダクトのロードマップを分かりやすく論理的に説明でき、様々なアドバイスを一旦受け入れて柔軟に変化させていくことを共通点として持っているとのことでした。

シリコンバレーは1ルームの平均家賃が40万円とも言われるほど生活コストが高いことでも知られていますが、今回お会いした誰もがおっしゃっていた通り、坂本氏も直接人と会って繋がるネットワークがシリコンバレーで仕事を進める上で重要であり、日本では決して得られないメリットと感じているとのことでした。また、シリコンバレーでは「データサイエンティスト」という職種が現在最も注目されており、B2BやB2Cに関わらず、どんな業界でも必要とされているため、優秀なサイエンティストの獲得競争が起きており、企業によっては平均4000万円以上(!)の年収で採用しなければならなくなっています。その中でも、現在最も勢いがあると言われる「Palantir(パランティア)」という会社では、約2000人のデータサイエンティストを従えて開発したソフトウェアをもとに、CIAを顧客として国際テロ組織アルカイダの元最高指導者ビンラディンの居場所を突き止めたとも言われているようです。

ネット上だけでは分からないシリコンバレーの生の情報を次々とお話いただく坂本氏からは、自身がIT企業の動向の変化に日々ワクワクしていて、いかに日本に還元させられるかを楽しみながら仕事をされていることが伝わってきました。

Airbnb: 「Belong Anywhere」を実現するサービスの作り方

そして最後の企業訪問として訪れたのはサンフランシスコ市内のサウスオブマーケットという地区にあるAirbnb本社!日本でもすっかり定着したサービスですが、創業者は元デザイナーということもあり、吹き抜けのエントランスからおしゃれなオフィスが広がっていました!
社内では各会議室が実際にAirbnbで提供されている部屋を模したインテリアになっており、社内を歩くだけで世界中を旅しているかのような空間デザインになっています。通路には宿泊施設や現地での体験を提供しているホストのポートレート写真が飾られていて、スタッフやユーザーを含めてAirbnbという共同体にいるという感覚を大切にしているようです。社内ツアー後は、社員の方々とのセッションを開いていただきました。

シリコンバレーの他のスタートアップでの経験を経てAirbnbに入社されたりと、キャリアは様々な方々ですが、エンジニア・デザイナーとして活躍するためには、スキル以外にもオペレーションチームや他のチームメンバーとのコミュニケーション力が必要不可欠とのことでした。また、シリコンバレーでエンジニアとして生きることは競争率が激しいように思われるかもしれませんが、特定の条件にこだわらなければ様々な企業で働けるチャンスはあり、一番大切なことは自分の作ったモノに対する批判を感情的に受け止めず、より良いモノを作ろうとする姿勢でオープンに受け入れ、新しい技術も積極的に学ぼうとする意識が大切とのことでした。
サービス自体の作り方については、「Belong Anywhere」というミッションに象徴されるように、Airbnbはシリアと北朝鮮以外の全ての国で使われており、各地でのユーザーの立場や文化に沿って、UX(ユーザーエクスペリエンス)を重視した作り方に特に力を入れているようでした。後半では、エンジニアチーム、デザイナーチームに分かれてより細かな質問にもお答えいただき、合計で2時間以上の豪華なセッションを開いていただきました!

この日でプログラムとして予定されていた企業訪問は終了。次の日からは自由行動となり、参加者はワークショップ前に各自でアポを取っていた以下の企業・施設などへ訪問しました。前回までの参加者から各社員の方を紹介いただいたり、参加者同士で情報を共有して一緒に訪問したりと貴重な時間を過ごすことができたようです!

自由行動日の主な訪問施設

A9
Docker
Google(サンフランシスコ支社)
Incorta
Lucid Motors
mercari
Niantic
ORACLE
RocketSpace
University of California, Berkeley

成果発表: これからも続く「テクノロジーで世界をよりよくする」ための道


そして、いよいよ最終日の成果発表となりました!参加者は1人10分の持ち時間で、「テクノロジーで世界をよりよくする」ことを自分事化し、自身の短期的、長期的プランを発表します。ワークショップに参加する前は、「技術・マネジメント・ビジネスを掛け合わせ、暮らしを支える、より良くする」、「データで社会課題を解決する」など、それぞれがテーマを持って臨んだこのワークショップ。発表では自分が描くキャリアパスの甘かった部分や、足りないスキル、ビジョンをしっかりと言語化できたことで、ワークショップの学びを完結するのではなく、今日、明日からの具体的な行動まで落とし込めていたことが一番の成果だったようです。

10日間という短い期間ではありましたが、知見や情報とは別に、自分の実現したいことへ向けて行動し、それを心から楽しんでいる人たちとの素晴らしい出会いを数多く経験できたことは全ての参加者にとって財産となったようです。参加者の中でこの経験が近い将来どのような形で花開くのか、本当に楽しみですね!参加者はこれから3ヶ月間TECH LAB PAAK会員として活動をしていくので、今後も引き続き彼らをサポートしていきます!最後に、参加者の皆さん、お疲れ様でした!そして、現地で受け入れていただいた全ての関係者の方々に改めてお礼申し上げます。皆様、本当にありがとうございました!!

現在、Silicon Valley WorkShop 2017 summerの参加者を募集中!!!
■応募締め切り 6月22日(木) ~23:59 エントリーシート提出締切
■応募&詳細はこちらのページから → http://techlabpaak.com/siliconvalleyworkshop2017summer