【実施報告】シリコンバレーワークショップ!「テクノロジーで世界をより良くする」ための10日間同行レポート(後編)

2016.10.17

8月28日から10日間の日程で行われたTECH LAB PAAK主催の「Silicon Valley Workshop 2016 summer」。前編に引き続き、Niantic, Inc.、Googleなどへの訪問や成果発表までのレポート後編をお届けします!!
※前編はこちら

3日目
Niantic, Inc.: アメリカで信念を貫くモノづくり

3日目となる8月31日には、「ポケモンGO」を任天堂と共同で開発し、まさしく今世界を席巻しているNiantic, Inc.へ! 参加メンバーには今回アメリカに来て遂にポケモンマスターとなったメンバーもおり、訪問を心待ちにしていたようです。早速、アジア総括本部長の川島優志氏にお話しを伺いました。

23歳でアメリカに渡り、ロサンゼルスにあるデザインプロダクションでのお仕事や、Niantic, Inc.のGoogle社内スタートアップからの独立を経て現在に至る川島氏。ご自身の経歴を振り返りながら、世界の約2%と言われる日本語の市場にくらべ、アメリカ市場で挑戦できるチャンスの大きさを感じたり、エンジニア・デザイナーという職種では、英語が多少話せなくても実力次第で活躍できると思ったそうです。そういったご自身の実感をもとに、「もっと多くの日本人に世界を目指して欲しい」とお話しいただきました。ビザの問題など、アメリカで働くことは簡単ではなかったとのことですが、人の意見やビジネス上の戦略に左右されずに、自分が良いと思ったモノを作る意思を持ち続けることによって道を切り開いてきたことが、ユーモアを交えながらも、お話いただく様子から伝わってきました。

また、渡米前のエピソードでは、高校時代に指定の制服を一度も着なかったことや、授業中は机に本でバリケードを築いて読書ばかりしていたこと、日本の大学を中退しフリーランスで働いてから渡米されたことなど、「キャリアプランとしては参考にはならないね(笑)」とおっしゃりながらも、「自分がより輝ける場所を求め続けることが大切」という言葉が強く心に残りました。

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4日目
Google: 環境が作り出す仕事

4日目に訪れたのはGoogle本社!この場所はもともと、映画用VFXなど、ハイエンドなCGの制作に使われていたグラフィック専用ワークステーションで有名なシリコングラフィックス(SGI)社のスタジオだったそうで、モデリング用の恐竜の模型がそのまま残されていたりします。

「キャンパス」と呼ばれる敷地はまさしく大学のように開放的で自由な雰囲気で、社内に犬を連れて来て、そのままソファーでコーディングしている社員の姿も見かけられたりと、一人一人の働き方が自由でのびのびとしていました。

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こちらでは、AmazonやIBMでキャリアを重ね、日本に住んでいたこともあるというDaniel Powers氏と、広い敷地も覆い尽くすような青空の中、社員食堂のテラス席でお話しさせていただきました。訪れたときに感じた雰囲気の通り、Googleでは食堂やスポーツジム、オープンスペースなどの設備を整え、社員の居心地の良い環境を作ることでコラボレーションが生まれやすくし、生産性を高めようとする文化が根付いているようです。そのため、Googleでエンジニアとして働くには技術力以外にもその文化に馴染めることが大切とされています。ワーキングスタイルは、GmailなどのGoogleのツールをユーザーと同じように使いながら仕事をすることで、ユーザー目線、すなわちユーザーの問題を自分たちの問題として捉えることが重要であったり、エンジニアと言えどもプレゼンテーションで自分の考えをきちんと伝えることも非常に重要なスキルとのことです。

仕事でもプライベートでも、Googleのサービスはもはや当たり前のように私たちの生活で便利に使われていますが、それは、コラボレーションを誘発させる環境の中で、社員一人ひとりが自社のサービスに一ユーザーとして向き合う中で生み出されているのが、この場所を実際に訪れることでリアルに実感することができました。

Twitter: アメリカでエンジニアとして働くこと

続いては、今や誰もが知る、日々世界中で「つぶやき」が生み出されているコミュニケーションツールの開発元Twitter社へ!

歴史的なツイートを展示紹介している社内のギャラリーでは、日本での「バルス!」同時ツイートなども紹介されていて、ちょっと誇らしい気持ちになりました!そんな日本との繋がりを感じながら、全社員3800人のうち半数がエンジニアというTwitterのサンフランシスコ本社で働く日本人エンジニア3名にお話しを伺わせていただきました。

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(右から1番目・中川智史氏、2番目・丹羽善将氏、4番目(奥)・川本健太郎氏)

「飛行機のように、飛んだあとは落とさないことが大切」と丹羽氏がおっしゃっていたように、一見シンプルなサービスではありながらも、常に安定して機能させるためにバックエンドでは膨大なエンジニアリングの作業があるというTwitter。日本で働いてからそれぞれ渡米された3名ですが、アメリカでエンジニアとして働くためにはコーディングの技術はもちろん必要ではあるものの、英語力よりもコミュニケーション力が優先されるとのことでした。特に重要なことは当初の設計に固執せず、ユーザーがどのように使っているかを考えながら、例外への対応も含めて細かく調整をしていくこと。エンジニア目線の美しい設計が必ずしもサービスの成功につながるとは限らず、デザイナーやプロダクトマネージャーとコミュニケーションを取りながら、より良いモノを作るために総合的に提案することが大切とおっしゃっていました。

最後に、参加メンバーへのメッセージとして、「アメリカで働いて失うものはない(中川氏)」、「若い時にチャンスを見つけてほしい(川本氏)」、「やりたいこと・やりたくないことを見極め、自分の選択に責任を持って進むことが大切(丹羽氏)」というお言葉をいただきました。終始、丁寧に言葉を選びながらお話いただく三名からは、担当されている仕事への誇りと信念を持ってTwitterを動かしているということが伝わる訪問となりました。

Torre: 働き方と文化、情熱のスタートアップ

次に訪れたのは、フリーランサーのマッチングサービスを行っているTorre。会社として特定の場所を持たず分散型の働き方をしていることが特徴です。今回の訪問時は、人事部のMaggie氏に案内いただきCEOの自宅でデザイナーとミーティングしている所を見学させていただきましたが、主にコロンビアを中心として世界13カ国にスタッフが分散しているとのことです。

分散型の働き方の最大のメリットは、働く場所が自分で決められること、そして世界中から優秀な人材を採用できる点とのこと。もちろん直接会える機会は減りますが、ネットワークコミュニケーションツールを活用し、できる限りお互いが参加しやすい時間帯にビデオ会議を設定したり、デイリースクラムといった毎日10分ほどの朝会を設定し状況を共有するなど、ルールをもったコミュニケーション体制をつくることで解決しているとのことでした。

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その後、Torreが借りているWeWorkというシェアオフィスを見学。訪れた時間帯はハッピーアワーという、ドリンクを飲みながらその場にいる誰もが気軽に話せるネットワーキングイベントが行われていました。Maggie氏によると、サンフランシスコのスタートアップ界では会社を1~3年などの短いスパンで移り変わっていく働き方が特徴とされており、仕事の広げ方や将来的な可能性も踏まえて、こういったイベントに積極的に参加し、たくさんの人とつながっておくことが重要とのことでした。

最後にはMaggie氏から、自分を信じ、夢を実現するためのパートナーを探し、挑戦し続けて欲しいというメッセージをいただきました。Maggie氏の身振り手振りを交えて、一人一人の目を見て話していただく姿から、ご自身の仕事への情熱と、今回の訪問から本当に何かポジティブなことを学んでほしいという熱意が伝わってきました。

5日目
成果発表会: テクノロジーで世界をより良くするには?

5日目はいよいよ今回のワークショップで学んだことの成果発表となります。これまでの滞在期間には、毎日各メンター、チームメンバーと自分の学びや気づきを共有してきましたが、最終的には「テクノロジーで世界をより良くするには?」を自分事化し、短期~長期的目標を発表する時間となります。特別ゲストとしてサンフランシスコにあるWebサイト開発のTombo, Inc. CTOの末永氏にもお越しいただき、1人10分のプレゼンテーションを行いました。

発表内容は、教育に人工知能や機械学習を取り入れたEdTechサービスや、ブロックチェーンを使った相続資産サービスなどの将来的なビジネスプランのほか、組織作りにまで関われる、自分が求める将来的なエンジニア像や、具体的にアメリカの大学院留学で研究したい内容など、それぞれが研修前よりもはっきりとしたビジョンを持つことができ、互いに議論を行うことでさらに深堀りできる濃密な時間となりました。

今回のワークショップでメンバー達が得た気づきの中で特に目立ったのが、現地で出会った一流のエンジニア・研究者から学んだ「情熱をもって取り組むことの大切さ」です。研究やビジネスなどの立場は関係なく、出会った方達の、自分が本当にやりたいと思うことに突き進んできたからこそ、夢を実現することができた姿が、これからのキャリアを考える大きな刺激となったようです。

また、特別ゲストの末永氏からも、たしかにシリコンバレーはテクノロジーの最先端ではあるけれども、その根本では必ず一人一人の夢を実現したいという「想い」によって、新しいテクロノジーが生まれている、ということをお話しいただきました。それが有機的に繋がる場がシリコンバレーには根付いていて、日本でもそういう文化を作っていければとおっしゃっていたのが印象的でした。

これで2回目の開催となったTECH LAB PAAK主催のシリコンバレーワークショップは終了!トータルで10日間という短い期間ではありましたが、同年代の仲間や技術メンター含めて共に過ごした時間は刺激にあふれ、年齢や立場に関係なく一緒に楽しく学び合えた熱いワークショップとなりました!

この旅を経て参加メンバー達は11月末までTECH LAB PAAKの会員となります。シリコンバレーで学んだことを生かして今も日々活動し続けています! この機会に出会ったメンバー達が、今後どんな未来を作っていくのか、楽しみにしつつ応援していきたいですね!

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おまけ: 訪問先での集合写真をご紹介!

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現在、Silicon Valley WorkShop 2018の参加者を募集中!!!

■応募締め切り 12月4日(月) ~23:59 エントリーシート提出締切

■応募&詳細はこちらのページから → http://techlabpaak.com/siliconvalleyworkshop